今や世界中のサーカスアーティストは、フランスのアーティストたちが次々に作りだす新奇なショーを追いかけている。もちろん、中には駄作もないわけではないが、そんな作品の中にもキラリと光る新しいアイディアがあったりするから目が離せない。
こうした新しいサーカスの潮流はヌゥーボーシルクと呼ばれ、日本では現代サーカスと呼ばれている。ここ40年ほどのあいだに急速に発展してきた新しいサーカスと伝統的サーカスとの間には違いも多いが、観客の立場からすれば面白いものを楽しめばいい。
シルクブランはまさしく現代的なサーカスショーだ。サーカスに欠かせないクラウン(道化師)には、オーギュスト・クラウンとホワイトフェイス・クラウンという、ふたつのキャラクターがある。オーギュストがドタバタ者、ホワイトフェイスが愚か者、つっこみとボケである。シルクブランの「ブラン(白)」は愚か者の意味ももつ。
ほぼ自分の技に酔いしれている愚か者のパフォーマーばかりかもしれないが、と同時にテクニックとテクニックのあいだに“ボケ”を滑りこませて、新しい演技の広がりを創りだしている。
ブラボ〜 シルクブラン!!
西田敬一(沢入国際サーカス学校校長) 談